義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

カテゴリ:暮らし・田舎(六)

丹波古刹15ケ寺霊場 第6番 達身寺 手作り短歌集(六)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。短歌集に掲載された238首の内、7番目のカテゴリー【暮らし・田舎に分類した短歌(13)を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリ…

カテゴリー:風景・景色(六)

丹波古刹15ケ寺霊場 第六番 達身寺 ご朱印と案内 手作り短歌集(六)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。短歌集に掲載された238首の内、6番目のカテゴリー【風景・景色】に分類した短歌(17)を掲載いたします。 <義母の…

カテゴリー:時代・時(六)

丹波古刹15ケ寺霊場 第5番 石龕寺 手作り短歌集(六)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。短歌集に掲載された238首の内、5番目のカテゴリー【時代・時】に分類した短歌(20)を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー…

カテゴリー:自然・季節(六)

丹波古刹15ケ寺霊場 第5番 石龕寺 手作り短歌集(六)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。短歌集に掲載された238首の内、4番目のカテゴリー【自然・季節】に分類した短歌(20)を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリ…

カテゴリー:動植物(六)

丹波古刹15ケ寺霊場 第5番 石龕寺 ご朱印と案内 手作り短歌集(六)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。短歌集に掲載された238首の内、3番目のカテゴリー【動植物】に分類した短歌(28)を掲載いたします。 <義母の短歌…

カテゴリー:人・子供(六)

丹波古刹15ケ寺霊場 第4番 常勝寺 手作り短歌集(六)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。短歌集に掲載された238首の内、2番目のカテゴリー【人・子供】に分類した短歌(36首)を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリ…

カテゴリ:自分・生活(六)

丹波古刹15ケ寺霊場 第4番 常勝寺 <短歌集(六)の掲載を終えて> 昨日までに、義母の手作り短歌集(六)に蒐集された、平成八年十一月から十二月に詠んだ238首の掲載を終えました。 今日からは、短歌集(六)に掲載された238首の短歌を11のカテ…

#1731-1734 冬畑を・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第4番 常勝寺 <義母の短歌>#1731-1734 #1731 冬畑をひとり黙もく打つ老いにやきたてのパンそっと差し出す #1732 海も湖も視界に遠き山住居水皺も立たぬ沼の暗さよ #1733 父母ありて吾が子の子が子を持つ事実生きて良かりし煙りにあ…

#1726-1730

丹波古刹15ケ寺霊場 第4番 常勝寺 <義母の短歌>#1726-1730 #1726 愚痴泪一切こぼさぬ隣人に我が苛立ちのさらに深まる #1727 皺伸ばしのクリームひと瓶五千円裡なる女が一瞬迷う #1728 陽の下に晒せば他愛もなき心昨日の欝に羽つけやらむ #1729 「二度童…

#1721-1725 昔むかし・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第4番 常勝寺 <義母の短歌>#1721-1725 #1721 昔むかしわが欲しかりし腕時計今幾つ持つとて埋められぬ洞 #1722 蕗の薹萌ゆるを待つが愉しみとは思いみる程に侘しきものか #1723 裏山より土掘る気配の音降るに白昼構えて耳そばだてる …

#1716-1720 はたとせの・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第4番 常勝寺 <義母の短歌>#1716-1720 #1716 はたとせの昔の忙しさ思い出で疲れ覚ゆる師走の曇天 #1717 紐ひきてひと呼吸置きともりいず蛍光灯の古きを愛す #1718 山と川いずれも目の友小やみなく動きて止まぬ川の親しき #1719 人居…

#1711-1715 心中に・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第4番 常勝寺 <義母の短歌>1711-1715 #1711 心中に丹波の小霧降りやまず呆けほけ唱う小狐の歌 #1712 燗徳利冷えてほろ酔う女男の群ゲートボールに上げる歓声 #1713 歌を詠む無援の淵に身を沈め刻を忘るる先ずはすこやか #1714 うた…

#1706-1710 亡骸と・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第4番 常勝寺 ご朱印と案内 <義母の短歌>#1706-1710 #1706 亡骸と戻りし底のなき寒さ思い出させる雪の連山 #1707 不景気の波をまともに被りいる若き世代のくらしも厳し #1708 巻き戻しの利かぬ歳月稼ぎし日履きたる利久の黒漆光る #…

#1701-1705 のしの付く・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第3番 慧日寺 <義母の短歌>#1701-1705 #1701 のしの付く清酒一本届きたり男に近き寡婦住む玄関 #1702 肉魚の臭いを持たぬわが厨焼き立てのパンの匂いが踊る #1703 最高のわが喜びはすんなりと心に沁みる歌詠みし瞬 #1704 リンゴの皮…

#1696-1700 心根も・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第3番 慧日寺 <義母の短歌>#1696-1700 #1696 心根も口も乾ける静けさに馴れて平気にいる気味悪さ #1697 人恋うる心いやます隠沼のわが宿訪いませさわりあらずば #1698 叩いても死なぬと言いしが呆気なく喜怒哀楽を忘れし人よ #1699 …

#1691-1695 あり余る・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第3番 慧日寺 <義母の短歌> #1691 あり余る私の時間そちらから盗みに来る人芯から欲しい #1692 昨日見しコバルト色の冬の川きょうは暗かり水の表情 #1693 暫くを棒立ちとなりおもむろに老眼鏡の店舗に向かう #1694 「婆ァ抜き」「粗大…

#1686-1690 何がどう・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第3番 慧日寺 <義母の短歌>#1686-1690 #1686 何がどう変わるにあらねど圧覚ゆ「師走が何だ」と雀がはねる #1687 うらぶれの野猫よ来世は人間に生れて来よとも吾が言いかねる #1688 丈低く萌えて刈られて石を這い地下に根を張る凄さよ…

#1681-1685  息絶ゆる・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第3番 慧日寺 <義母の短歌>#1681-1685 #1681 息絶ゆるごとく灯は消え人声の闇に吸われて酒宴終れり #1682 狼籍のままに灯を消し夜半さめてまさぐりいるはテレビのリモコン #1683 夢に聞きし一方的なる饒舌は消し忘れたるテレビにあ…

#1676-1680 梅に来て・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第3番 慧日寺 <義母の短歌>#1676-1680 #1676 梅に来て動かぬ鵯よ短かる花の命をついばむでない #1677 走るバイクの後ろ姿に亡夫見き振り向く勿かれ一瞬の夢 #1678 「アー」と鳴く今日の鴉の声重し鳥語知らねばその裡知らず #1679 夕昏…

#1671-1675 ささやかな・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第3番 慧日寺 <義母の短歌>#1671-1675 #1671 ささやかな期待はずれる郵便受喪中欠礼の届く年末 #1672 塒指す鳥ふたつ三つ点となり白山茶花に闇の集まる #1673 スーパーの軒借り過去を売る男誰ぞ買わんか古本の魂 #1674 東京へひとり…

#1666-1670 珍しき・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第3番 慧日寺 ご朱印と案内(左の慧日寺をクリック) <義母の短歌>#1666-1670 #1666 珍しきのみにて人は瞬かずグラジオラスの冬に咲くとも #1667 野のすみれ鉢に移すに貰われ子の翳りあらわに衰えしるく #1668 斑猫とは横洞に跳びい…

#1661-1665 日昏れには・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第2番 太寧寺 <義母の短歌>#1661-1665 #1661 日昏れには必ず戻ると鐘叩き仏と家に留守を告げいる #1662 径に遊ぶ鳩の人みて驚かぬ平和と言うか秘境と言うか #1663 毀れても惜しからぬ値の半端皿求めて埋める心のひずみ #1664 「こん…

#1656-1660 歌は斯く・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第2番 太寧寺 <義母の短歌>#1656-1660 #1656 歌は斯くあるべき筈のヘルメット脱ぎっ放しの放埓詠また #1657 買いしは何時テレビの画面薄れゆく「くたびれました貴方の守りに」 #1658 裸木の秀に膨らめる木蓮の莟を包む和毛に拍手 #165…

#1651-1655 慈雨あれば・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第2番 太寧寺 <義母の短歌>#1651-1655 #1651 慈雨あれば溢れ流るる折あらむ我がにはたづみ乾からびずあれ #1652 ありてなき人との距離感むっつりと電話器見つめ友を思えり #1653 燈明のいましつきなむさゆらぎに骨の溶けゆく侘しさ…

#1646-1650 夜昼の・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第2番 太寧寺 <義母の短歌>#1646-1650 #1646 夜昼のけじめおぼろに冬の川薄闇湛えて暗き音たつ #1647 現役の女匂える八十歳日毎異なるイヤリングの光 #1648 容赦なく夢に入り来ておどろなす木枯らしの音うつつ世の音 #1649 アクセル…

#1641-1645 怺えるとう・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第2番 太寧寺 <義母の短歌>#1641-1645 #1641 怺えるとう力の失せてこぼし過ぎ泪の枯れて仕舞った女 #1642 寒冷前線居据わる空の飛行音重く響けり夜の冷え厳し #1643 行く末の杖にもならぬ孤を抱き視界心界累累と歌 #1644 丸太一本転…

#1636-1640 雪煽る・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第2番 太寧寺 <義母の短歌>#1636-1640 #1636 雪煽るいかずちどどっと鳴りし音昼の炬燵に思い出す耳 #1637 フェンスに積もれる雪の傾きて落ちゆく先の池を覗ける #1638 金の成る木やたらと殖やす老婆いてもの言わざれば声掛けそびれ…

#1631-1635 平がなに・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第2番 太寧寺 <義母の短歌>#1631-1635 #1631 平がなに書くべしうつの字余りにもうっとうしきに総身が軋む #1632 嵩高き毛布と思いし炬燵より小さな爺様這い出て笑まう #1633 積む雪の白きに誘われ残りいる夏のソーメン湯でたくなり…

#1626-1630 湯呑み置く・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第2番 太寧寺 ご朱印と案内(左の太寧寺をクリック) <義母の短歌>#1626-1630 #1626 湯呑み置くすき間なきまで書をひろげ八十媼の学び魂はや #1627 カーデガンのぼたんは下よりはめるべし残るひとつを造らぬ為に #1628 八年のひとり…

#1621-1625 靴履かぬ・・・

丹波古刹15ケ寺霊場 第1番 龍蔵寺 <義母の短歌>#1621-1625 #1621 靴履かぬ日は続くべしわが歌を敲いてくれるコンピゥーター欲し #1622 ある時は明るく濃ゆくあるときは靄に紛るる人間模様 #1623 月隠す雲の狭間をくぐり抜け洩れくる光歪みて届く #1624 …