カテゴリー:時代・時(六)
手作り短歌集(六)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された238首の内、5番目のカテゴリー【時代・時】に分類した短歌(20)を掲載いたします。
<義母の短歌 カテゴリー:時代・時(六)>
#1501 スーパーに荷物を提げる男達当然と思わぬ古さ嗤うな
#1511 食べ終えし寿司殻前にいたずらに寂しむ峠越えて久しき
#1512 うつつには無き生れ家に物言わぬ父母いて囲炉裏燻りたり
#1520 前の世は海の魚族にあらざるか塩分濃ゆきをことさら好む
#1533 十中の八まで渋き今年柿世の中そんなものかも知れぬ
#1537 容赦なく家財道具を埋めたてる業者よ胸に痛みあらぬか
#1545 夢のなき農家のくらしに戸惑いしは十九の花嫁なりし
#1546 味噌汁に豆腐を入れることすらも贅沢などとは知らで嫁ぎ来し
#1547 木尻座と呼ぶ嫁の座のけむったさ昔語りの笑えぬひとこま
#1567 文化祭図体のみに場を占める馬鹿南瓜に目もくれやらず
#1579 現実を揺るがすまでの力なし過去は造花の臭いを放つ
#1591 幼日にわが持ちいたる羽子板の押し絵の姫は何処にゆきしか
#1606 新世紀に期待も不安もさらに無く結局無知という他はなし
#1690 芒穂の揺るるをみても涙腺のゆるびし頃はも絵の如く浮かぶ
#1707 不景気の波をまともに被りいる若き世代のくらしも厳し
#1708 巻き戻しの利かぬ歳月稼ぎし日履きたる利久の黒漆光る
#1716 はたとせの昔の忙しさ思い出で疲れ覚ゆる師走の曇天
#1717 紐ひきてひと呼吸置きともりいず蛍光灯の古きを愛す
#1721 昔むかしわが欲しかりし腕時計今幾つ持つとて埋められぬ洞
#1724 三歳児の耳愉しませしラッパの音抑揚のある「玄米パンのほやほーや」
<管理人のつぶやき>
■ゆっくりと 気の向くままに 今日を生きる(80歳の壁から)