義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:風景・景色(六)

丹波古刹15ケ寺霊場 第六番 達身寺 ご朱印と案内



手作り短歌集(六)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された238首の内、6番目のカテゴリー【風景・景色】に分類した短歌(17)を掲載いたします。

 

<義母の短歌 カテゴリー:風景・景色(六)>

#1497    謎めきて丹波の朝霧山を呑む孤独あながち侘しと思わず    


#1538    埋めたての斜面ずりゆく姿見が怨みのまなこのごとく光れり    


#1540    倒木の柚子のひこばえ勢い伸び古木のねばり芯まで透る


#1542    紅葉は遠く眺めて嘆ずべし落葉散り積む城跡の寂 


#1544    丘ひとつ越えて変わらぬ山里で思いがけなく夕陽に出遭う    


#1571    皎皎と乾ける月の照らす道ともさぬ電池大きくひと振り

#1580    残照に影うすれゆくショベルカー「おー」とひと声唸りはせぬか    


#1586    闇路には女神のやさしき光りともよごれよごれる昼の外灯    


#1590    脱兎のごと車過ぎゆき煽られし路肩の落葉危うげに舞う


#1595    ゆく雲を映す池の面ただ静か藻のなき底辺に金魚は眠る    


#1609    道あれば人住むことを疑わず進みて墓処につき当たりたり  

 
#1623    月隠す雲の狭間をくぐり抜け洩れくる光歪みて届く    


#1660    注ぎこむなべての水を拒まずば膨れて速し雨後の峡川 


#1679    夕昏れの空に浮かべる雲に問うどこまで流れて眠りにつくや    


#1689    一様に流れに向きて傾ける川岸の樹木揺れてやまざり  

 
#1718    山と川いずれも目の友小やみなく動きて止まぬ川の親しき    


#1732    海も湖も視界に遠き山住居水皺も立たぬ沼の暗さよ

 

<管理人のつぶやき>

■吟道の 年に一度の 発表会 無事に終わって 肩の荷降りる