義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#2126-2130

福知山市三和町田ノ谷 八幡神社

 

<義母の短歌>#2126-2130

#2126    人を見ず昏れしひと日を絵になせばうす紫のやわらかき靄


#2127    ひらがなの文字ちらすごと鴉とぶ寒の日和の空透きとおる


#2128    花ひらくたまゆらに会いし心地なりつけしテレビのあき子先生


#2129    「おかあちゃんはじをようかかんさかいでな」一通きりの亡き母の文


#2130    冬日和パジャマはしゃぎて竿ゆらす何ぞ良きことありそうな昼

 

<管理人のおまけ>

靄(もや)

たまゆら・・一瞬

 

<365人の生き方>

■不器用の 一心に勝る 名人なし
(小川三夫 鵤工舎棟梁  能力があって器用な子はダメです)

#2121-2125 まく餌に・・・

福知山市三和町西松 天満神社

 

<義母の短歌>#2121-2125

#2121    まく餌に鴨も混りて群るる鯉飼われいるもののかなしき平和


#2122    降るやみと地より沸くやみ絡み合い窓にはりつくぬばたまの闇


#2123    「おふくろの顔もむずかしなったよな」子には届かぬ老境の憂さ


#2124    漁終えし舟が港に憩うごとスニーカー並ぶ正月の土間


#2125    紫に山けぶらせて降る雨に塩ふる程の雪の混りつ

 

<管理人のおまけ>

ぬばたま・・黒い物にかかる枕詞

 

<365人の生き方>

■逆算し 目標達成 スケジュール 30歳で 料理長に
(岸田周三 レストランカンテサンスシェフ  逆算式目標設定術)

#2116-2120 物の怪の・・・

福知山市三和町西松 天満神社

 

<義母の短歌>#2116-2120

#2116    物の怪の漂うごとき霧わけて葬りもどりの橋うつつなく


#2117    秋のあわれさとりし貌のかまぎっちょ淋しすぎるよ枯色の羽


#2118    植木屋の好みに刈られし庭樹木の新芽は新芽の想いに伸びる


#2119    紅葉に山ふくらみてざわめくも常緑の杉の豊かさ静けさ


#2120    愛しまれぬことは承知の濡れ鴉贄を咥えてトタン屋根すべる

 

<管理人のおまけ>

葬(はぶ)り・・葬送

かまぎっちょ・・カマキリ、

愛(いと)しまれぬ

贄(にえ)

咥(くわ)える

 

<365人の生き方>

■師の言葉 自分の限界 超える時 それは誰かの 為と思うとき
(長渕 剛 シンガーソングライター)

#2111-2115 なめらかに・・・

福知山市三和町西松 天満神社

 

<義母の短歌>#2111-2115

#2111    なめらかに老いは来たらず逆縁の柩にさか立つわがばさら髪


#2112    子を生さず妻と二人の濃きひと世終えし弟幸せなるべし


#2113    弟の意思なき双の指ほどき骨もおれよと一期の握手


#2114    旅立ちの脚絆の紐の蝶結びほどけぬようにゆけよ弟


#2115    膝の骨先ず拾いやる黄泉路ゆく歩みのせめて なくあれ

 

<管理人のおまけ>

柩(ひつぎ)

逆縁(ぎゃくえん)・・親より先になくなること

 

<管理人のつぶやき>

■初吟で 今年の吟道 キックオフ 今年は創流 45年

 

 

#2106-2110 酔うほどに・・・

福知山市三和町中出 梅田神社

 

<義母の短歌>#2106-2110

#2106    酔うほどに貴方もこなたもなくなりて自治会長が叩かれている


#2107    乾燥機低く唸れり秋祭り終わりし里のたゆき静けさ


#2108    二度までも風雨に倒れしコスモスの咲かねば終れぬ花の小さし


#2109    羽化出来ぬ蛹のごとき焦り持ち雨降り止まぬ窓見据えいる


#2110    手の窪に乗せて食べよと差し出す紫したたる茄子の浅漬け

 

<管理人のおまけ>

たゆき・・だるい
小(ちい)さし・・かわいらしい
蛹(さなぎ)
窪(くぼ)・・くぼみ

 

<365人の生き方>

■人生に 鳩は3回 やってくる
藤田喬平 ガラス造形作家)