義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#191-200 秋茄子の・・・

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関西花の寺25ケ所 第2番  楞厳寺 御朱印
<ページトップの写真>
今日から、関西花の寺25ケ所 第2番 楞厳寺(りょうごんじ)の写真にします。

 

<義母の短歌 #191-200>

秋茄子の艶持つ紺に雪の日の毛糸をおもう肌寒き朝


独り居に特権もある陽の入りを羽根持てる如く胸内かるやか


刺身など好みし亡夫に喰ませたき思いしきりにはまちを捌く


我が衣服人めでくれて単純に心明るむおんなが残りて


さつも芋味覚を変へる舌の上戦後の鍋の芋飯が顕つ


貧しき鍋八人もいて囲みしに喰みたる人等幾人逝きしか


厨辺に一刻忘るる独り居を女である事変わらずにおり


落柿に憩える蝶の羽根破れて終の近きか動きのにぶく


草踏めば飛び立つ虫の小ささに生い立つ秋の日数足りるや


圃場整備されて峡田の押し潰され慣らされて我が田も他人手に移る

 

<管理人のつぶやき>
喰(は)ませたき、顕つ(たつ)・・・思い出される
厨辺(くりやべ)・・・台所、落柿(らくし?)
憩(いこ)える、生い立つ(おいたつ)