義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#241-250 羽根たたみ・・・

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関西花の寺25ケ所 第2番 楞厳寺

 

<義母の短歌>#241-250

羽根たたみ動かぬ王者雀蜂艶持つ胴にふくらみ保つ


ぬばたまの闇に馴れゆく眼と言わん残り世の路細ぼそと見ゆ


酒座に居て野にある如く黙りいる妻逝かしめし男のひとり


撫子の稚苗を掬う素手の指しとねの土を慣らし慣らして


みどり児を寝かす手付きに植えてゆく指にまぎれるニゲラの稚苗


襞深く秘めし繰り言時に吐くと誘い出させる霜月の風


窓少しあけて子を待つ帰らざる報せを受けてもなほも待ちいる


カレンダー剥げばうすきが壁に揺れ人重ね着をまさぐる朝


時雨空蜘蛛の巣糸をさながらに文化を支える電線の雫


高きみず満ち足る事が仕合せと言いたる人が寂しさに病む

 

<管理人のつぶやき>
ぬばたま(黒い、暗い)・・枕詞
掬う(すくう)
襞(ひだ)

 

<今日のウオーク>・・・綾部市志賀郷地区
8.6 km  11,221 歩
 
<管理人のお粗末一句>
晴天で12℃の田舎道今日も歩いた雪残る道

 

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綾部志賀郷 阿須々伎神社