#241-250 羽根たたみ・・・
<義母の短歌>#241-250
羽根たたみ動かぬ王者雀蜂艶持つ胴にふくらみ保つ
ぬばたまの闇に馴れゆく眼と言わん残り世の路細ぼそと見ゆ
酒座に居て野にある如く黙りいる妻逝かしめし男のひとり
撫子の稚苗を掬う素手の指しとねの土を慣らし慣らして
みどり児を寝かす手付きに植えてゆく指にまぎれるニゲラの稚苗
襞深く秘めし繰り言時に吐くと誘い出させる霜月の風
窓少しあけて子を待つ帰らざる報せを受けてもなほも待ちいる
カレンダー剥げばうすきが壁に揺れ人重ね着をまさぐる朝
時雨空蜘蛛の巣糸をさながらに文化を支える電線の雫
高きみず満ち足る事が仕合せと言いたる人が寂しさに病む
<管理人のつぶやき>
ぬばたま(黒い、暗い)・・枕詞
掬う(すくう)
襞(ひだ)
<今日のウオーク>・・・綾部市志賀郷地区
8.6 km 11,221 歩
<管理人のお粗末一句>
晴天で12℃の田舎道今日も歩いた雪残る道