義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#181-190 根を下ろす・・・

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関西花の寺25ケ所 第1番 観音寺(公式HPはこちら

 

根を下ろす土は選ばず彼岸花秋を走りて夕な夕な褪せゆく


祭り太鼓の音のそぞろに波立てばこもる女も誘われてでる


女の夢詰めて小袖の眠りいる和箪笥ずしりと幅占めており


うたた寝より醒めて暫しを見廻せりいま聴きしは己が溜め息と知る


いづくより飛び来て生えしやコスモスの茎太るまま畑荒れゆく


唐辛子の濃ゆき緑葉まさぐりて指が目になり篭充たしゆく


気紛れな時雨に濡れて戻り道篭の秋茄子露に艶増す


その終を告げているかも中枝よりにぶき音立て柿地に落ちる


垂れ下がる蔓のなかばにまろまろと枝にあけびの我を見下ろす


世は移り腕白どもの影はなく群れてはじけるあけびのあくび

 

<管理人のつぶやき>
褪せ(あせ)、暫し(しばし)、蔓(つる)
■今日は、
  外は雪 黙してINPUT 義母の歌
                                             ・・・お粗末