#171-180 沢蟹に・・・
沢蟹にふれなば鋏振り立てて己を守る本能持てり
今ここに肩押す人のありとせば地獄の果てまで落ちなん危うさ
我が耳に寝息届くる墓参の息彼岸の夜に疲れて眠る
夜風受けコトコトと鳴る窓ガラス夏には聞かず季深みゆく
栗拾うひま喜びもなかりしを柴栗の渋取りつつ思う
単純にひとりある夜の刻に倦み出で来し街のネオンにも酔えず
はりと網戸の狭間に生きる蛾に思ういにしえ女の耐ゆるにも似て
しばしの間頭と言うもの空にしてマンガ日本昔話しなど見る
はばからず幼に還り語りかくる石になりても母優しかり
何もなさぬ刻を惜しみて落ちつかず悲しき性よ終わりし農に
<管理人のつぶやき>
写真は100年の伝統 観音寺大護摩大祭 例年2月11日