義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#171-180 沢蟹に・・・

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関西花の寺25ケ所 第1番 観音寺(公式HPはこちら

 

沢蟹にふれなば鋏振り立てて己を守る本能持てり


今ここに肩押す人のありとせば地獄の果てまで落ちなん危うさ


我が耳に寝息届くる墓参の息彼岸の夜に疲れて眠る


夜風受けコトコトと鳴る窓ガラス夏には聞かず季深みゆく


栗拾うひま喜びもなかりしを柴栗の渋取りつつ思う


単純にひとりある夜の刻に倦み出で来し街のネオンにも酔えず


はりと網戸の狭間に生きる蛾に思ういにしえ女の耐ゆるにも似て


しばしの間頭と言うもの空にしてマンガ日本昔話しなど見る


はばからず幼に還り語りかくる石になりても母優しかり


何もなさぬ刻を惜しみて落ちつかず悲しき性よ終わりし農に

 

<管理人のつぶやき>
写真は100年の伝統 観音寺大護摩大祭 例年2月11日