義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#161-170 幼日の・・・

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関西花の寺25ケ所 第1番 観音寺(公式HPはこちら

 

幼日のお手玉かとも酔芙蓉つましくまろぶ花殻あまた


仙人草白き十字の花群れてまばゆきばかり鎌当てられず


撒水の虹に小人を遊ばして幼に語る童話一こま


一夏の我が血をなせしオクラの実冷気に縮む花小さくて


味覚より香りのよきと早生みかんのうすき皮むく目を細めつつ


警備員をマネキン巡査とふと紛う雨中旗持ちて動かずおれば


待つ刻の長きに倦みて語りかく弾む応えは同じ思いに


飛ぶわたの何処に芽吹く当てもなく意思なきままに視界に沈む


執念の幽鬼の如く散らぬまま黒く朽ちゆく彼岸花哀れ


吹く風のながさるるにか いずくより烈しく来たりて戸を打ちやまず

 

<管理人のつぶやき>
倦みて(うみて)