義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#991-1000 埋め置きて・・・

関西花の寺25ケ所 第9番 鶴林寺

 

<義母の短歌>#991-1000

埋め置きて忘れし栗の実探す程鴉の頭緻密にあらず


跳びたてぬまでに壁打ち障子打つ小さき命に背戸開け放つ


女三界に家なしなどと戯け言三棟の家屋我が持て余す


白梅の芯のあたりに春生れて陽差し蒐める車体のきらら


膨らみし餅の空洞透かしみつひとつのものはひとつでしかない


丹波丹後の境の峠の地蔵様瓦の屋根が温とうみゆる


したたかに雪を降らせし冬将軍出立ちの支度まだ出来ませぬか


身構える要なきこたつにじんじんと勝手に過ぎゆく刻を惜しまず


北狐の子別れの話聞き留めぬ歌の師もまた還り来まさず


書き留めし言葉息づく紙切れの狼籍極めつあやなす語わら

 

<管理人のおまけ>

戯(たわ)け言・・たわごと

蒐(あつ)める

語(かた)わら・・語彙(ごい)?

 

<管理人のつぶやき>

ウクライナ 太陽見たいと子供達 太陽見れる我ら幸せ