義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#1001-1010 ひょろひょろの・・・

関西花の寺25ケ所 第9番 鶴林寺

 

<義母の短歌>#1001-1010

ひょろひょろの毒だみの花白かりき咲くべく生れし石塊がなか


陽の下に晒せば浮き出る疵跡の焦せし鍋ははた戻り来ぬ刻


贈られしピンクのはんかちしげしげと大正の女戸惑いいたり


追うからは日高川なる蛇ともなれ紅ひきそえて書房へ走る


ひとり居をいたわる旅の誘いあり忝のう聴き丁寧に断る


轢死せる獣まれなる冬なりきこの現実の奥のはかれず


凝らしみるほどに遠のく歌の奥眠る他なし読むにも疲れ


花の芽を吾が子のごとくいつくしむひとりと言うはやはり侘しき

 

叶わざる労なきごとし湯の中に伸ばせば脚の痛み覚えず


やり場なき悲しみもあり生きる自負崩えなん朝の紅き山茶花

 

<管理人のおまけ>

晒(さら)せば

疵(きず)跡

日高川なる蛇・・安珍清姫伝説の蛇

忝(かたじけ)のう

轢死(れきし)

叶(かな)わ

 

<管理人のつぶやき>

■うぐいすの 声はするけど姿は見せず 一度見たいとジーと探すも