義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#1011-1020 湧きいずる・・・

関西花の寺25ケ所 第9番 鶴林寺



<義母の短歌>#1011-1020

湧きいずるかたちなきもの歌い上げ解って欲しと強いては言わぬ


闇受けるかたちの三日月冷ややかに人の孤独を見透かしいたり


人妬む心湧かぬをうれしみてこれにて足れりと思うてもみる


怠惰にはつい慣れやすく立ち直る気力湧くかと春を怖るる


非農家の方はこれでと許されて喜ぶべきか集会の戻り


賽銭を投げよとのらす神はなし賽銭なくば盗みもあらじ


肩に沁む寒さを誰に告ぐるべき雪か霜かは天の意のまま


絶叫型押さえて詠めば物足らず塩気抜かれしお粥のような


里径に鳩の遊べる暖かさ速度落として唱う春よ来い


ひとり言ふいに明るくとび出せり歌集の原稿まとめし抜殻

 

<管理人のおまけ>

のらす・・おっしゃる

沁(し)む

里径(さとみち)

抜殻(ぬけがら)

 

<管理人のつぶやき>

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