カテゴリー:自然・季節(三)
手作り短歌集(三)に蒐集されている短歌を、12のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された308首の内、2番目に多く(36首)含まれるカテゴリー【自然・季節】に分類した短歌を掲載いたします。
<義母の短歌 カテゴリー:自然・季節(三)>
#743 六月の厨明るしほつねんと乾きがちなる俎の影
#748 昼暗き藪に真竹の折れる音陰に籠りて他界のごとし
#749 青空のいずくか裂けて降り出ずる雨詫ぶるがに土に滲みゆく
#756 扇風機の風生温き十三時地獄の鬼も汗拭うべし
#767 咲く力咲かせる力紅梅の春待ちがての千の花粒
#769 浮き沈む杉ひと株を押し流す水の怒りと映りてやまず
#784 柚子の葉のひそかに抱く残り実に容赦もあらぬ雪ざんざ積む
#785 雪解けの畑に青む雑草も関わり持ちて我が生きはあり
#802 春の雨したたかなれば峡川の濁りにごりて底辺を見せず
#829 大らかに山は動けり照りながら夏衰えて立つ秋のかぜ
#843 なかなかに逃げては呉れぬ蛇のごとき残暑が不意に背向けたり
#847 買い置ける糧もつきたる冷蔵庫に鶏卵冷えて雨降り止まず
#850 好まれし師は黄泉の人山ぶどういたずらに熟るる秋庭さぶし
#853 過去ひとつ葬り去るがに夏衣押し入れの闇に冬を眠らす
#855 首振らす要なきひとりの扇風機所在もなげに秋のへや隅
#856 ひと夏を廻り続けて扇風機コトリ素直に箱に収まる
#867 芒原照りかげりつつひと面のもとな侘しき枯色の波
#871 狐花朽ちて丹波の霧ふかし棘も実もなく日々是好き日
#890 城跡の土見えぬまで散りしけるもみじに届くうすら木漏れ陽
#891 明日を待つ刻を埋むに長きかな洗車乾きてまだまだ昏れぬ
#893 万両の蒔かぬに数多の実を持てる梅ヶ枝がもと冬を明るむ
#894 折り紙の鶴教えよと訪い来たる寡婦に寂しき冬の長さよ
#913 まるまりて朽葉も寒さ厭うにか身を寄せ合える日向の窪み
#914 押し黙る唇のごとき冬の土盛り上げ動くはもぐらなるべし
#915 人棲みてこの静けさやささ透る冬の光りを目に掬い上ぐ
#918 戸の外は降りみふらずみ昏れやすく五臓病まねどまなぶた熱し
#928 奇妙なる安らぎもあり籠り居を人並みとなし雪降りつづく
#930 灰色の雲たたまれて降る光り雪に燦たり朗らなる昼
#940 聴くとして何も聞こえずみえもせぬうつつにぞ鳴れ冬のいかずち
#959 艶も香もなき冬の空日輪の在処もみせず昏れはじめたり
#989 蕗の薹煮つめる無垢な春の香に乾ける土のほとほと恋し
#994 白梅の芯のあたりに春生れて陽差し蒐める車体のきらら
#997 したたかに雪を降らせし冬将軍出立ちの支度まだ出来ませぬか
#1006 轢死せる獣まれなる冬なりきこの現実の奥のはかれず
#1017 肩に沁む寒さを誰に告ぐるべき雪か霜かは天の意のまま
#1019 里径に鳩の遊べる暖かさ速度落として唱う春よ来い
<管理人のつぶやき>
■立乗りの 電動三輪発売と 最高時速30km