義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:暮らし・田舎(四)

関西花の寺25ケ所 第21番 當麻寺西南院

 

手作り短歌集(四)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。

短歌集に掲載された238首の内、4番目に多く(15首)含まれるカテゴリー【暮らし・田舎】に分類した短歌を掲載いたします。

 

<義母の短歌 カテゴリー:暮らし・田舎(四)>

#1036    ふるさとも母校もわれには絵そらごと確かなふる里子の為守らむ


#1039    冬の鬱燃すにかあらん遠ち近ちに煙りの見えて峽暖かし


#1042    山を背に山に守らる谷ごとの吾が知る限りの聚落思えり


#1043    陽の差せば心ぞよめき戸の外の雪にやすらぐ農知る因果


#1045    屑箱のスチールパックピシッと鳴る捨てられし憂さ吐き出すごとく


#1056    何時来ても二筒しか仕入れぬ農協のすしのパックのひとつを買いぬ


#1080    集会の明かりは消えて押しつけの計画ひとつ決まりたるらし


#1088    俯して疲れに耐ゆる宵やみに明日も晴るるとふくろうの声


#1098    熊笹を辷る風音山住みのわきても久し耳に沁みいる


#1157    減反に一等田も欠伸なす関りなけれど納得ゆかぬ


#1172    観念の唇への字に茶の木刈る為し終らねば空は仰げぬ


#1173    今日の日を埋めんとして鎌を砥ぐ明日のことまで今思うまじ


#1174    肉魚拒む胃の腑へ鮮らしき有色野菜の味覚を送る


#1216    他界にはあらぬ証の飛行音数秒聴こえて静けさ戻る


#1249    月もなく星またたかず防犯灯のめぐりの白闇うごめくばかり

 

<管理人のつぶやき>

■雷公は 世の中お盆容赦なし