義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:自然・季節(四)

関西花の寺25ケ所 第22番 船宿寺 ご朱印

 

手作り短歌集(四)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。

短歌集に掲載された238首の内、5番目に多く(13首)含まれるカテゴリー【自然・季節】に分類した短歌を掲載いたします。

 

<義母の短歌 カテゴリー:自然・季節(四)>

#1021    春雪に明るき窓の昏れ果てて長きながき夜洞のようなる


#1034    春の雪貧乏草の株毎にまろく積もれりなんとなけれど


#1076    深海の暗きに似たる曇天を絞るがごとく細き雨降る


#1097    夏の川地球の静脈さながらにゆるゆるめぐる思惟持たぬもの


#1148    蹲る小さき影も汗噴かむ梅雨明けの暑さ声に出でけり


#1158    じりじりと夏盛り上る文月のつばなほよほよ呆けてそよげる


#1162    はたた神昼寝にゆるぶ耳裂きてしどろもどろのわが目覚めなる


#1169    梅雨空の重き空気に芥燃す煙は低く這いまわるなり


#1198    積み置きし草は土にと還りいて摂理の妙の身に親しかり


#1218    渇覚え草引く頭上に啼く鴉「カワックカワック」夏は真盛り


#1227    立秋の声聴き眺むる山山の濃緑の翳り秋を抱ける


#1233    扇風機の風は羽毛のやさしさに遠からずあきの風も吹くべし


#1244    雲ふたつ並びて流るる孟蘭盆の夜は雨とう予報の青空

 

<管理人のつぶやき>

■もう少し 季節は動く残暑かな