義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:独り・老い(四)

関西花の寺25ケ所 第22番 船宿寺

 

手作り短歌集(四)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。

短歌集に掲載された238首の内、6番目に多く(12首)含まれるカテゴリー【独り・老い】に分類した短歌を掲載いたします。

 

<義母の短歌 カテゴリー:独り・老い(四)>

#1063    ひとり住むくらしのリズム身に沁みていつか木乃伊になるやも知れぬ


#1067    引き延ばす会話の限り「おやすみ」と受話器を置けば俄かにさぶし

 

#1074    めくるめく透きて湯舟に春の水身ひとつ沈むに惜しくもあらぬ


#1125    日常の些細な変化も告げたかり片山陰にひとり住まえば


#1130    空中を掻きまわしつつ長梯子納めて漏らす長き溜息


#1190    日曜もはた休日も他人のもの宙吊りのカレンダー何時とても裏


#1197    何鳥か肩を掠めし驚きを変化となして今日を終らむ


#1203    内外の孫に賑わう隣家より弾める鞠のごとき足音


#1211    夢にだも賑わい欲しく胸に手を組みて寝るなりつくづくひとり


#1235    焼き茄子が「キューン」と悲鳴上げたりと告げたきものをだーれも居らぬ


#1241    日参の氏神に詣で石段を登らず鳥居に深く礼なす


#1257    飲食の他に唇開くなし夏百合白し風なき曇天

 

<管理人のつぶやき>

■温暖化 今世紀末52℃ 雨は一日300ミリ

(東京大研究チーム論文発表)