#1161-1170 手を濯く・・・
<義母の短歌>#1161-1170
手を濯く池面の波紋拡がりて苦渋持つごと貌ゆがむなり
はたた神昼寝にゆるぶ耳裂きてしどろもどろのわが目覚めなる
恋のうたかけらも持たねたっぷりと夢を操る七十二歳
バッグ忘れわが乗れざりし観光バス醒めて思えば死者ばかりなる
残し置く小さき鶏頭四・五本のめぐりの草等命拾いする
目の高さの生き諾いて送る日日気随にもえて無気力ならず
脱ぎ捨てし破れ軍手を草の根は縦横無尽にてキルティングなす
選ばれて花咲かせるは幾粒か余りにちさし芥子の粒子の
梅雨空の重き空気に芥燃す煙は低く這いまわるなり
うた詠みと絵描き肩よせ視つめいる蟻の巣造り思いは異なる
<管理人のおまけ>
濯(すす)く
はたた神・・激しい雷
ゆるぶ・・ゆるむ
めぐりの・・廻りの
諾(うべな)いて・・納得して
気随(きずい)に・・思うままに
芥子(からし)・・香辛料のからし
<管理人のつぶやき>
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