義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#1161-1170 手を濯く・・・

関西花の寺25ケ所 第12番 久安寺

 

<義母の短歌>#1161-1170

手を濯く池面の波紋拡がりて苦渋持つごと貌ゆがむなり


はたた神昼寝にゆるぶ耳裂きてしどろもどろのわが目覚めなる


恋のうたかけらも持たねたっぷりと夢を操る七十二歳


バッグ忘れわが乗れざりし観光バス醒めて思えば死者ばかりなる


残し置く小さき鶏頭四・五本のめぐりの草等命拾いする


目の高さの生き諾いて送る日日気随にもえて無気力ならず


脱ぎ捨てし破れ軍手を草の根は縦横無尽にてキルティングなす


選ばれて花咲かせるは幾粒か余りにちさし芥子の粒子の


梅雨空の重き空気に芥燃す煙は低く這いまわるなり


うた詠みと絵描き肩よせ視つめいる蟻の巣造り思いは異なる

 

<管理人のおまけ>

濯(すす)く

はたた神・・激しい雷

ゆるぶ・・ゆるむ

めぐりの・・廻りの

諾(うべな)いて・・納得して

気随(きずい)に・・思うままに

芥子(からし)・・香辛料のからし

 

<管理人のつぶやき>

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