義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#1171-1180 身ひとつを・・・

関西花の寺25ケ所 第12番 久安寺

 

<義母の短歌>#1171-1180

身ひとつを殻に仕舞える蝸牛山崎方代ふとも思えり


観念の唇への字に茶の木刈る為し終らねば空は仰げぬ


今日の日を埋めんとして鎌を砥ぐ明日のことまで今思うまじ


肉魚拒む胃の腑へ鮮らしき有色野菜の味覚を送る


さるすべり今を盛りの花蔭に昨日と同じ想いは抱かず


残されてこぼせし泪に芽を吹きし歌とう魔の花咲かせてみんか


勝敗の厳しき角力に目を逸らす負けの怯えの人一倍に


少年の茶髪に包む思春期の昂ぶり乗せて跳びゆくバイク


際立ちて星のきらめく大空の果てなき闇を截る飛行雲


伐るまでの未練心も残り火も消えて八つ手のひと掬いの灰

 

<管理人のおまけ>

山崎方代(やまさきほうだい)・・昭和の歌人

鮮(あた)らしき

花蔭(はなかげ)・・花の咲いてる木の陰

逸(そ)らす

怯(おび)え

昂(たか)ぶり

截(き)る

伐(き)る

 

<管理人のつぶやき>

NHK 大河ドラマの「鎌倉・・・」で 静御前のイメージ違う