義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#671-680 わくら葉を・・・

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関西花の寺25ケ所 第6番 隆国寺

 

<義母の短歌>#671-680

わくら葉をかぶれる魚も抱くならん冬の川面の蒼の窮まり


ぐるぐると感情線は裡めぐり胃のあたりより哀しみは涌く


独りにも新年は来る隣家の餅搗く音にむらぎも冴ゆる


桧葉は桧の匂いの音たてて爆ぜまっとうす灰になるまで


亡き人の残せる古き鍵の束夢のひとつも隠れておらぬか


硝子戸に写る吾が身は透明体通り抜けゆく二人三人


山繭の淡きみどりにこもらへる刻が揺れいる冬のもみぢに


何刻む包丁かとも刻かけて研ぐ刃が冷たき光を反す


「今日はお婆ァが居らんのや」笑む老い人が華やぎてみゆ


東北弁耳尖らせて聴くわれは受話器を握り片目を瞑れり

 

<管理人のおまけ>

窮(きわ)まり

裡(うら、うち)

搗(つ)く

むらぎも・・心の中?

冴(さ)ゆる

桧(ひのき)

爆(は)ぜ

山繭(やままゆ)・・蛾の一種

瞑(つぶ)れり

 

<管理人のつぶやき>

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