義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#661-670 ゆく先を・・・

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関西花の寺25ケ所 第6番 隆国寺 ご朱印

 

<今日からの写真>

平成14年7月に訪れた、関西花の寺 第6番 隆国寺の写真を掲載いたします。

公式ホームページは  http://ryukoku-ji.com/ を参照ください。

 

<義母の短歌>#661-670

ゆく先を持てるごとくに蜘蛛糸をつたいて垂れる雫の痛み


風に撓み雨に敲かるくも糸の蜘蛛は見えずて露きららなり


軒と屋根重なる狭間の真上過ぐ鈍色冬鳥はいづくともなし


戻り来て峡に仰げる月親し椿静けく凍らんとする


夜なべする母の占めいるひとつ灯に宿題解くも楽しかりしが


ことごとく葉の散り尽くす裸木はよろうことなき老境に似る


吊り革を握るてのひら交々の思いを乗せて終バスは発つ


わくら葉の陰に丸居のわらじ虫箒の先に夢も転がる


湿り持つ靴に双脚差し入れて日課ともなく畑に出ずる


消し忘れし二燭が留守を守りいて十日振りなる窓開け放す

 

<管理人のおまけ>

撓(たわ)み、敲(たた)かる

鈍色(にびいろ)・・濃い灰色

交々(こもごも)

箒(ほうき)

二燭(にしょく)・・豆電球?

 

<管理人のつぶやき>

■晴れてよし ウグイスの声ぎこちなし

■あちこちで 桜の開花便りあり この地の開花は今しばらくか