義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#801-810 容赦なき・・・

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関西花の寺25ケ所 第7番 如意寺

 

<義母の短歌>#801-810

容赦なき雨に盛りを失いし牡丹挫折の彼の日に似たり


春の雨したたかなれば峡川の濁りにごりて底辺を見せず


引く草の見える間は戻るまじ得体の知れぬ日昏れの泪


連休に植えられるべく水張田の粛としひかる峡のくれ昏れ


高速路設置の赤杭鮮やかに墓地に打たれてむら肝冷ゆる


ひっそりと竹の子ゆがけり村用に不参の昼を落伍者のごと


庇はれていると言えどもひとりなり柚子の裂け枝ギシギシと挽く


ふくらます風船指につつきつつやわくはなれぬ生え抜きの性


こともなく刻の過ぎ行く雨の日の節目のごとく重ねる飲食


纏いつくしがらみ払うがごとくにも日がな小鍬に草けずりいつ

 

<管理人のおまけ>

泪(なみだ)

昏(く)れ

むら肝(ぎも)・・心の底

挽(ひ)く

纏(まと)い

 

<管理人のつぶやき>

■Come Comeで 無言を演じる 深津絵里