#791-800 行き止まりの・・・
<義母の短歌>#791-800
行き止まりの聚落昼を眠るがの空気ゆさぶる乳牛の声
木瓜の棘指にするどし大切な人病み給う痛みを刳る
乾電池変えれば活きいき刻きざむ時計のようにはゆかぬ吾が脚
熱湯に蒟蒻ふるわせ牛蒡そぐ戻る誰かのあるがに夕方
ほのぼのと心ほどけてゆくような会話売る舗オープンせぬか
白き猿吾に抱かるる夢をみきいとしむものを持たずひさしき
家事うとくなりつつおんなデトルトの味にも馴染めず糠床混ぜる
オウムの記事大きく載れる朝刊を焚きつけとなし芥を燃せり
雨溜める空うつうつと藪陰に小さき棟の上る槌音
律儀なる季節の流れに操られロボットのごと女茶を摘む
<管理人のおまけ>
木瓜(ぼけ)
刳(えぐ)る
蒟蒻(コンニャク)
牛蒡(ごぼう)
舗(ほ)・・店
糠床(ぬかどこ)
<管理人のゆぶやき>
■トラクター 今年の米は この田一枚
■トラクター ふと見上げれば 桜満開