義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#781-790 夜半の水・・・

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関西花の寺25ケ所 第7番 如意寺

 

<義母の短歌>#781-790

夜半の水のみど貫く冷たさを寂しむまでは考えるまじ


悲しみの塊のような芥袋固く結えて火中に投ず


せつなげに闇ふるわせて啼きめぐる恋の季節を限られて猫


柚子の葉のひそかに抱く残り実に容赦もあらぬ雪ざんざ積む


雪解けの畑に青む雑草も関わり持ちて我が生きはあり


平らかにあらぬ流れの岩を打つ白き飛沫を見て飽かぬかも


見の限り人影のなき野を渉り電動鋸に木を挽く聴こゆ


稀れまれにも揺らすものなき山里のブランコ地まで垂れて幾とせ


飛行音消ぬれば戻る静けさの夜空は蒼き一枚の布


太陽をしみらに浴び来てそそくさとグルメに遠き昼餉に足れり

 

<管理人のおまけ>

のみど・・のど

芥袋(ごみぶくろ)

しみらに・・いっぱいに

 

<管理人のつぶやき>

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