義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#1031-1040 乳歯二本・・・

関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺

 

<義母の短歌>#1031-1040

乳歯二本ニッと見せては乳欲りし末の子不惑の髪白み初む

落ち込むもはやきが起つもはやきなりなまじ媚びざるうた詠みゆかな

夕昏れの雨を抱える空の色何かある色悲しみの色

春の雪貧乏草の株毎にまろく積もれりなんとなけれど

夏かぜのわれにみかん水飲ませくれし若き母住む七十路のまなうら

ふるさとも母校もわれには絵そらごと確かなふる里子の為守らむ

信号待ちの車すり抜けるオートバイゆとりを持たぬ孤独のそびら

二年前の髪の毛一本伸びぬまま挟まる頁をねんころに読む

冬の鬱燃すにかあらん遠ち近ちに煙りの見えて峽暖かし

眼のうろこぽろり剥がれて歌かるし桃栗三年独り居八年

 

<管理人のおまけ>

貧乏草・・ハルジオン(花)の別名?

まなうら・・眼の中

そびら・・背中

鬱(うつ)

 

<管理人のつぶやき>

■ウグイスが 盛んに鳴いてくれるけど 一度見せてよウグイス色を