2022-06-07 カテゴリ:自然・季節(ニ) 自然・季節 関西花の寺25ケ所 第14番 興聖寺 ご朱印 手作り短歌集(ニ)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。 短歌集に掲載された280首の内、三番目に多く(33首)が含まれるカテゴリー【自然・季節】分類した短歌を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー:自然・季節(ニ)> #465 降りしきる雪に視界のしんとして新聞配達の足跡も消ゆ #466 黄昏の雪を運び来啾啾と音なき夜を耳盲のごと #467 掌に受くる雪束の間に露となり帰らぬものがお指こぼるる #476 自らの眼が染みゆくか枯れ色の山も草木も耀よいて写る #481 眺めやる峰のたたずみ唯ひそか四季を描きて彩は移ろう #482 堆く掻き寄するわくら葉灰にして土に還さん緑にかえれ #483 外灯を透かしてみれば尚寒し闇に細かき雪降り止まず #495 霜柱踏めば崩るる音かそか消えゆくものを足裏に覚ゆ #501 温風機切ればたちまち襲いくる寂涼に騒だつ耳底の声 #517 雪明りあつめるガラスのテーブルに細く影曳く水仙孤独 #561 梅雨晴れの厳しき照りにしとどなる汗の短駆の影を歩ます #586 カナカナのひとしきり啼く音絶えて陽は傾けり燃えつきるがごと #591 並び起つ若竹の葉を縫うひかり夏の青さに泪さしぐむ #599 岩つつく鮎のひと群れ目に促う刻のゆるゆる流るる真午 #600 酔芙蓉地に落つる間のたまゆらを見たり看取りし後の悲しみ #617 庭石の揺がざるごと頼もしくも見ゆれ魂など絶対になし #635 じんわりと山肌滲む地下水を土の泪と寒に視つむる #643 天を指す銀杏黄葉の真盛りにゆらめき靡く落ち葉焼く煙り #646 せせらぎに垂るるもみぢの美しやけし冬菜を洗う媼も去れり #647 往く先々落ち葉裸か木枯れすすき夕暗の道雨にけぶらう #648 吹く風のうねりに身を揉むもみぢ葉のざわっーと寒く岸になだるる #671 わくら葉をかぶれる魚も抱くならん冬の川面の蒼の窮まり #677 山繭の淡きみどりにこもらへる刻が揺れいる冬のもみぢに #683 日月もとどかず深く死者眠る土を犯して雨降り沈む #688 闇のなか闇より濃ゆき庭松の翳り起たせて明日に対える #689 頁繰るはざまの羽虫鮮明に手脚伸して冬の終焉 #690 敷妙の央地がなかに降る雪の天にし舞えばかそか彩持つ #692 如月の天を荒びて吹く風の絞る雫か頬打つ氷雨 #693 水底に眠る小石に寝返りを打たせて湍る雪の谷川 #696 雑草に雑草の春あり魁けて犬のふぐりの泪色に咲く #710 小暗きに朝刊配る自転車の軋み音凍る霜置く路に #711 注連飾り稲穂の爆ぜるかそか音耳傾けて幸いと聴く #712 わが丈に及べる雪摺り軒埋め白き獄舎に術なかりけり <管理人のつぶやき> ■我が住む この地を何と呼ぶべきか 峡、郷、里か 単なる田舎か