#401-410 背戸のあく・・・
<義母の短歌>#401-410
背戸のあく気配に立てば生きるため栓なき盗みの猫がにげゆく
回覧板届ける家に立ちこめる主待ちいる夕餉の匂い
寒空にとがあるごとく朝顔は池の囲いに終われずに咲く
裸木は飄々と佇ち口重きもののふのごと冬を迎える
夢に詠み醒めて綴れどおぼおぼと掬う指よりこぼれる言葉
溜まり水かめの底辺に静もりててらう陶肌露のしたたる
驕りいし柔きくずの葉黒ずみて霜の下りしを萎へつつ語る
裸木の梢の秀尖露光り朝の茜は柔く輝く
満ち足りる友は花火の明るさに我がやみともし残り火を置く
鍵かけずついまどろみし夢の中救い求める吾が声に醒む
<管理人のおまけ>
陶肌(とうき)
驕り(おごり)
萎(な)へ
醒(さ)む