カテゴリー:風景・景色(一)
手作り短歌集に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
義母の手作り短歌集(一)巻に掲載された432首の内、八番目のカテゴリー【風景・景色】(27首)に分類した短歌を掲載いたします。
<義母の短歌 カテゴリー:風景・景色(一巻掲載27首)>
#42 幾とせを水に研がれし岩肌の過ぎ来し踏みて釣人の座す
#44 ダムの水激つ飛沫の真白くてたちまち澄めり峡の小霧に
#77 山襞の麓の緑おしわけて孵化する如く列車出でくる
#86 底知れぬ溜息一つ漏れ出でぬ永遠の住居の墓碑は哀しき
#160 雀追う案山子は見えず稲刈り跡わだち残れり足跡なくて
#185 いづくより飛び来て生えしやコスモスの茎太るまま畑荒れゆく
#230 急ぐ身の脚をとどめる戸田橋のコバルト写す蒼き流れは
#252 残照に緑彩られたる黄金雲奥処にかがやく菩薩おわすや
#253 水底の砂利に重なる紅葉の影を揺らして尾びれきらめく
#263 昼暗き峡の山岸明るめりハゼ燃え立ちて限りなき彩
#280 落日の雄大に遭い釘づけの足許染める名残りの茜
#300 家ありて所どころに防犯灯人住む事を告げてともれる
#302 まなうらに煙り吐く汽車浮かべつつ軽がる走るディーゼルをみる
#308 ビニールのハウスに黒豆干せれいて法連草も冬を休みぬ
#309 柿くわえ鴉啼かずに飛び立てり枝に揺れいる残されし赤
#314 頁繰る指しなやかにそらせいる若き患者は面あげざり
#317 せせらぎの飛沫を受けて猫柳岩のくぼみにじわり根を張る
#319 減反に驕るすすき野飛ぶ鳥の温くきねぐらも幾つかあらむ
#332 庭師来たらずおごる庭木のひと所綾なすどうだん緑にしみる
#344 朝まだき霧海原の高速を現れ消えて浮くごとき車
#362 谷川の細る岩間をひとすじの白布垂れるを描く人あり
#373 いずこさす確かな当ても持たず出て友が家に見る夕茜空
#374 豪邸もひとりの軒もへだてなく染めて茜はゆるゆる消ゆる
#387 静寂の極みに水面蒼あをと底辺に沈む芥もあるに
#406 溜まり水かめの底辺に静もりててらう陶肌露のしたたる
#408 裸木の梢の秀尖露光り朝の茜は柔く輝く
#424 訪う人の指かと思う友が家の玻りに映れる笹の葉の揺れ
<管理人のつぶやき>
■これからは 週休3日の世の中に 我らは今週休7日