義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#891-900 明日を待つ・・・

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関西花の寺25ケ所 第8番 應聖寺

 

<義母の短歌>#891-900

明日を待つ刻を埋むに長きかな洗車乾きてまだまだ昏れぬ


あるがまま低きに向きて水はゆく逃げ場を持たぬわが冬籠もり


万両の蒔かぬに数多の実を持てる梅ヶ枝がもと冬を明るむ


折り紙の鶴教えよと訪い来たる寡婦に寂しき冬の長さよ


わが武器は沈黙なりしこれ程の冷たき否定の又とあろうか


咲く日なく枯れにし沙羅の木火に入れて灰となるまで佇ちつくしたり


突風に吹き上げらるる病葉か立ち退き止むなきホームレス達


窓際の席を選びしまなかいに華には遠き枯れ野流るる


芒原に打ち捨てらるる乗用車赤き車体の華ある滅び


ちんまりと一輛編成のディーゼル車急行尻目に乗客群がる

 

<管理人のおまけ>

埋(うず)む

蒔(ま)かぬ

訪(とむら)い

沙羅(さら)

佇(た)ち

病葉(わくらば)

まなかい・・目の前

滅(ほろ)び

 

<管理人のつぶやき>

■ウグイスが 上手になった ホーホケキョ