義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#391-400 真夜の・・・

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関西花の寺25ケ所 第3番 金剛院

 

<義母の短歌>#391-400

真夜の戸を叩く少年道をききシンナー匂う友曳きずりて


真夜を醒め方位も失いさまよえる若者の脚どっと倒れ入る


送りやる少年の名を知らぬまま走らす車に親の面輪顕つ


アクセルを踏みつつ鼓動昴まりぬシンナーの呼ぶ豹変おそれて


真夜の街下車する少年深ぶかと頭さげたり憎めぬ姿


日を経るに一度素面で語りたし我にかかわりなき事乍ら


満たされぬ雨の夕昏れいさかいの相手なければ夕餉を早め


石蕗の黄金に光る花茎の何を見むとて背伸びして咲く


限りある命ちろちろ燃え立たせ問いつ応えつ可能を測る


街中に突如湧き出る軍歌あり菊の御紋の車過ぎゆく

 

<管理人のつぶやき>
顕つ(たつ)・・・思い出される
昴(たか)まり
石蕗(つわぶき)
花茎(かけい)

 

<#391~#396を読んで>
■30年前こんな出来事あったのか義母の優しさ目に浮かびけり
 ・・・少年のシンナー事件、知らなかった