2023-05-31 カテゴリー:動植物(九) 動植物 福知山市多保市 天神社 手作り短歌集(九)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。短歌集に掲載された228首の内、二番目のカテゴリー【動植物】に分類した短歌(39首)を掲載いたします。 <義母の短歌>カテゴリー:動植物(九) #2394 白梅の開花うながす早咲きの姉様女房のような紅梅 #2395 いぬふぐり踏まれふまれて捻れつつ頭もたげて青く笑えり #2396 めったには滅びませんよと去年伐りし万作ひこ芽に花咲かせいる #2402 惜しみなく花びら散らし枝伸ばす樹木は過ぎしを恋うることなく #2403 花が皆ひと色ならばつまらない私は私の彩持ち生きん #2410 生き力あるなら伸びよポーチュラカ我が手助けは此れまでの事 #2411 犬猫の苦手なわれの前に来てぺったり座る犬何思う #2416 捥がれずに朽ちゆく柘榴拾わるるぎんなんいずれか人の世に似る #2421 今日の食いまだ足りぬか夕ぐれを耳立てゆく子連れの野猫 #2422 従いて来る鴉に気の毒わが提げる生ごみ大方お茶がらなのに #2427 可愛いとほめたからとて此れいじょう伸びて傲るな紅花苺 #2428 二度咲きのニゲラ一輪ひわひわと終りしものはなべて幻し #2433 打ち抜かれもう走れない猪の脚ピクリ動けばわが胸どきり #2434 山椒なら自力で生きてゆけるだろ実生の稚苗も鋭き棘持つ #2437 跳ぶバッタ捕えそこねし三毛猫が照れくさそうに貌なでている #2438 鼻鳴らし百合の根を掘る猪の貌思い浮かべて深く憎まず #2439 空曇るまでに群なす雀どちひきゆく一羽の羽重からん #2447 莟立て開きあぐねる冬のばら思い遂げよと厨の瓶に #2452 人ならば口惜しかるべし捥がれずに草に己が身葬る柚子の実 #2458 考える象に枝にいる鴉何悟りしか「クワッ」とひと声 #2464 東風疾風春風西風象なき風に名のあり名無しの野猫 #2477 つつましく匂うと見れど合歓の花貴婦人のごと空指して咲く #2481 夏野菜人と獣の知恵くらべ人は大方負けて嗤えり #2482 落ちてなお象崩さぬのうぜんの花避けてよろめく夏草の径 #2487 旱魃に耐えてようやく鈴蘭のつけし実だけは突つくな鴉 #2488 真っ直ぐに伸びる杉の木好もしく見ているわれも直進型なり #2495 色づきし実を確めてみずからを葬るごとく散る柿落葉 #2498 電線に羽休めて寒ざむと一人合点している鴉 #2509 寒中に水浴び続ける雄の鵯何を濯ぐと四たび五度び #2515 春光りたっぷり浴びる福寿草妬ましきまで黄に輝けり #2520 騒がれし桜花より花柄を掲げ静もる水仙いとしむ #2524 子天狗の扇にやりたし八つ手の葉若きみどりの陽にきらめくを #2537 恙なく羽化遂げしかと確かめる草間に転がる抜殻の背な #2547 腹見せて踠く羽欠け黄金虫轢かるるまいぞとわがてのひらへ #2582 知られずに花どき終えし小判草「咲きましたよ」と小判踊らす #2584 花が木がもし物言わば此れの世の悪事失すとも住みにくからん #2588 狂い咲く木瓜挿す空瓶よみがえり花と分け合う生きの喜び #2603 もう誰も構ってくれないトレニアの小花を時折訪う黒揚羽 #2604 弾ける日待てるやはたまた怖るるや日に日に艶まし輝く石榴 <365人の生き方> ■商売の 秘訣は戻って 原点に (吉富 学 一蘭社長)