義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:時代・時(五)

関西花の寺25ケ所 第23番 金剛寺

 

手作り短歌集(五)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。

短歌集に掲載された238首の内、8番目のカテゴリー【時代・時】に分類した短歌(10首)を掲載いたします。

 

<義母の短歌 カテゴリー:時代・時(五)>

#1302    ぼうと見てあれば不逞なドラマの男花瓶で叩かれ易やすと死す


#1308    遠き日は茶飯事でした被せ継ぎ真面目な貌して上手いもんです


#1330    幼くて此の世の無情知りしかば今ある常のいかにかかぐわし


#1339    忍従の生きに再び身を置けば忽ち襲わんアルツハイマー


#1356    平穏にあると思うな此れの世の雨も嵐も予告なく来る


#1395    あの頃が良かりしなどと追憶に酔うこともなしうつつぞ確か


#1436    野曝の脱穀機やや傾けり老骨とう言葉不意に浮かび来


#1444    滔滔とひとりの落とし湯幻の五右衛門風呂のげす板が哭く


#1445    良きことの重なり来る日よ生きている証の断片膨らみ過ぎぬか


#1456    花畑に転がるまりの二度三度探そうとはせぬ新時代の児

 

<管理人のつぶやき>

■風涼し 季節は変わり9月かな