義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:自然・季節(八)

福知山市三和町高杉 高野山高杉大師協会(真言宗)

 

手作り短歌集(八)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された378首の内、三番目のカテゴリー【自然・季節】に分類した短歌(35首)を掲載いたします。


<義母の短歌>カテゴリー:自然・季節(八)

#2014    風は初夏残り椿の一輪が北にむかいてぱっちり開く


#2060    半熟の卵のような気だるさを吹き飛ばしたり冬の晴天


#2075    三分咲き五分咲き満開花吹雪一気に春が駆け抜けてゆく


#2076    かなしみが沁み入るような春の雨新芽つたいて幹濡らしゆく


#2088    物置の古びし農具にどくだみが戸の隙間から夏を告げいる


#2101    枯れ葉にもくすぶる想いのあるものか容易く灰になると限らず


#2117    秋のあわれさとりし貌のかまぎっちょ淋しすぎるよ枯色の羽


#2125    紫に山けぶらせて降る雨に塩ふる程の雪の混りつ


#2127    ひらがなの文字ちらすごと鴉とぶ寒の日和の空透きとおる


#2130    冬日和パジャマはしゃぎて竿ゆらす何ぞ良きことありそうな昼


#2163    大空の汗かと手に受く天泣の土まで届かぬ程の湿りを


#2167    釣り人の忘れてゆきし白タオル河原柳に揺れて夏去ぬ


#2199    立枯れの老木ほろほろ崩れゆき煩悩消えし小枝を散らす


#2200    雪ん婆の慈悲かも知れぬ雪被る庭木もわれも昼を眠れり


#2214    「早く来な」わらびが呼ぶからゆかなくちゃ野のものなべてわれに良き友


#2216    喜んでばかりも居られぬ開発の都合で広らになりし里径


#2218    初夏の山傾く日ざしにきらめきの彩をたためり山も眠るか


#2222    天界の荒れ事知れとか癇癪玉弾けしごとく雷とどろけり


#2235    雷神と雨の女神の道行のごとき夕立庭濡らしけり


#2241    梅もどき小さき乍ら陽をかえし真赤な秋をパチパチ謳う


#2251    冬の雨耳傾げれば何時かまた天へ帰ると呟きつつ降る


#2257    枯芝に粉雪積る白き音空耳ばかりにあらぬ静けさ


#2260    雪怖しされど雨よりやさしくて金時豆は鍋に踊れり


#2265    家中の蛇口凍らす氷柱神をやわやわ往なす天っ陽の神


#2267    くすぶれる冬の襤襛の後影春がわわわと土割る気配


#2268    冬将軍また舞い戻り雪降らすほんとは淋しい鬼かも知れぬ


#2270    三月のどか雪むしろ愉しかり一気にほころぶ木瓜のくれない


#2277    春をなお暗く乾きて枝に垂るはじけなかった石榴の木乃伊


#2281    吹く風に揺れつたわみつ麦撫子なよなよ伸びて自が春守る


#2291    平和とはこんな象かこんもりと合歓の花咲く桃色の蔭


#2298    秋冷えに鴉も啼かぬ静けさを宥めるごとき炊飯器の湯気


#2301    羊歯ゆらし麻黄の葉ゆらし竹ゆらす風の連れ来し肱笠の雨


#2308    なんでこう秋は心の急くものか明日なきさまに散る柿落葉


#2320    朝戸繰る刹那の冷気風花をまく雪ん婆が峯を越えゆく


#2328    木には木の旬あり霜置く梅ヶ枝に昨日より今日膨らむ莟

 

<365人の生き方>

■ブスになる 25ケ条 宝塚で
貴城けい 女優  宝塚歌劇団の教え)


ブスになる25ケ条とは
・笑顔がない
・お礼を言わない
・おいしいと言わない・・・・・・・・続きはあした