義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:時代・時(七)

福知山市三和町寺尾 三柱神社

 

手作り短歌集(七)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された266首の内、八番目のカテゴリー【時代・時】に分類した短歌(13首)を掲載いたします。

 

<義母の短歌>カテゴリー:時代・時(七)

#1777    過ぎ来しを淡たんと語るのど塞ぎ声を曇らす泪を憎む


#1831    侘しきは何ありとしもしおらしく泣きて縋りし記憶なきこと


#1832    役たたぬ教育勅語覚えいて辞典なくては漢字の書けず


#1834    たかがズボンの裾上げなれど指抜きは昔乍らの役目を果たす


#1847    磨り減りし三組の石臼遠き世の女の汗の沁みてしあらむ


#1848    繋がりしつららと根雪隙間風冷たかりしよ子を抱く布団


#1856    漬物に白きご飯の美味しかりし過去を美化なす母恋いの泪


#1904    口ずさむ軍歌に遠き日見え隠れ冷えたる雲を掴む心地す


#1918    嫁たりし日の忙しさの去来する夢に疲れて昼を眠れり


#1924    野良猫がねずみを咥え見せに来し貧しく遠き平和な日のこと


#1932    うどん打つ己が姿を夢に見つ打ってみようか昔の杵柄


#1933    片割れの夫婦茶碗も湯呑みの疵も一切過去へ葬るべきか


#1994    二度芋は向かいの山の雪見て植えよ亡母の声もはるかな風塵

 

<365人の生き方>

■「おふくろさん」 私の命を 込めた歌 母の命も こもっている

(森 進一 歌手  「おふくろさん」の教え)