義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリ:暮らし・田舎(七)

福知山市三和町寺尾 三柱神社

 

手作り短歌集(七)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された266首の内、七番目のカテゴリー【暮らし・田舎】に分類した短歌(14首)を掲載いたします。

 

<義母の短歌>カテゴリー:暮らし・田舎(七)

#1773    見送るも見送らるるもさびしくて噛むひとひらの紅の山茶花


#1788    寒卵つるりのみどを辷らせて辿る夢路よなめらかにあれ


#1813    チェーンソーの命を削る音たつを半日聞けば穏やかならず


#1823    味のなき空気と言えど安らかに吸う息吐く息我が家の空気


#1846    境木の桧太りて直ぐなるを麒麟棲むかと思うことあり


#1853    大江山の鬼に喰われし河守の地名は永劫わが裡にあり


#1866    目前に山あり川あり花あれど声持たざれば満たさるるなし


#1880    人魂の彷徨うごとく近づけり夜光塗料のふたつのペタル


#1921    近道のつもりの山道怖かりき枝揺らせしは魑魅ならずや


#1926    落とし湯の仄かな湯煙溝をゆく用足りし後を汚水となりて


#1928    今の世に厠を外に持てるゆえ夜空愉しむ特権もあり


#1970    休日の母に甘えて躁ぐ声届く限りの峡路明るし


#1977    華写すことなき姿見凝然と冷やけき部屋の一角に光る


#2000    墓地移転の重き心に比ぶれば失う山など愚に小さし

 

<365人の生き方>

■リスクとは 逃げれば逃げるほど やってくる

(柳井 正  ファーストリティリング社長)

 

<管理人のつぶやき>

明日、明後日と所用で出かけるため、お休みします。