義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:暮らし・田舎(五)

関西花の寺25ケ所 第23番 金剛寺

 

手作り短歌集(五)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。

短歌集に掲載された238首の内、6番目のカテゴリー【暮らし・田舎】に分類した短歌(12首)を掲載いたします。

 

<義母の短歌 カテゴリー:暮らし・田舎(五)>

#1291    集会所の物置ひんやりビール瓶酒の空瓶雑然とあり


#1298    踏切に空席運ぶ列車見つ思えばわれも乗らず久しき


#1313    蟻塚を鍬に潰せし償いに引き草積み上げ此れで足りるか


#1344    山住みに見馴れし緑ことさらに子と並み見れば耀いわたる


#1357    気がつけば引き来し葱の手にあらず迷いを持てば何かを失う


#1364    天つ陽の差すこともなき山の草刈ってどうなる蚊に刺されつつ


#1366    赤とんぼ群れ翔ぶさまを山住みの目に珍らしむ何かが狂える


#1375    笹原のおどろ刈り終えし安けさに明日を恃みし心嗤えり 


#1400    神輿やぐら組まれて幟はためけど浮き立つ若さすでに失せたり


#1461    コンバイン操る農夫の鋭きまなこ岸に憩えば十歳老けて


#1486    ちんまりと個個のくらしの乱れぬ里嫌うにあらぬ折ふし逃げ出す


#1493    バス停もポストも煙草自販機もなき里逆に貴重と宣らせり

 

<管理人のつぶやき>

■もう一年 あと一年と米作り 刈取りを待つ今日の田んぼ