カテゴリー:独り・老い(七)
手作り短歌集(七)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された266首の内、5番目のカテゴリー【独り・老い】に分類した短歌(15首)を掲載いたします。
<義母の短歌>カテゴリー:独り・老い
#1755 朝毎の茶湯まことに干されなばおそろしかるべし一人では住めぬ
#1756 格別に何を昂ぶることもなし竹の節にも似たるか正月
#1757 与えらるる刻はみずからゆかさねば視るともなしのドラマ三篇
#1768 物陰の器の水のごとくいて誰の邪魔にもならねばいいか
#1770 疎まるる長き体を石垣にひそめるものも孤独なるべし
#1782 果てのなき空に爆音曳きてゆく飛行機常に孤独ならずや
#1784 ひとり独楽廻れよ廻れ為すべきばそれひとつなり軸尽くるまで
#1804 水族館の魚の孤独に逢いたくて惹かれゆくなり尾鰭なきわれ
#1805 折りたたみの椅子ぱたぱたとたたまれて聞きたる事の大方忘るる
#1829 ある限りのあかりともせば人の来て何ぞあるかと問うなりひとり居
#1835 捨てられし空瓶のごとき表情のわれかと貌を再び洗う
#1888 続くものなければようやく温もりし風呂場の窓ゆ湿気を逃す
#1896 薄情な女と言うて下さるな忘れな残り世生きてはゆけぬ
#1982 詠むことも花の手入れも絵空事斯かる虚ろな刻よ疾くゆけ
#1992 起き出でて真夜に水呑む音立てるさびしきものか咎めるものなし
<365人の生き方>
■生きること それは自分との 戦いだ
(宇津木妙子 全日本女子ソフトボール監督)