義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:家族(七)

福知山市三和町寺尾 三柱神社

 

手作り短歌集(七)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された266首の内、九番目のカテゴリー【家族】に分類した短歌(11首)を掲載いたします。

 

<義母の短歌>カテゴリー:家族(七)

#1739    花園に姫のあそべるような過去持たぬ三人子すこやかに中年


#1769    うから居て孤独深める人もありひとりの孤独の甘き逃げ水


#1825    簡単な大根なますの調理法母を認める子の声が問う


#1839    ふた部屋の掃除機かけ終え膝をつく此の衰えを子に見すまじく


#1840    汚るること先ずはなけれど男子用便器もたまに水流すなり


#1887    深刻な会話は要らぬ母と子が炬燵に向き合う此の世の浄土


#1890    遠住む子とドラマの終焉語り合う平和の使者のごときか電話


#1893    三人子は三人でひとり便りなき息子の占める部分の暗闇


#1903    子の去りし後に残れる惣菜を昨日の夢の続きのごと食す


#1934    久びさに聴く嫁の声明るかり終いの日預けるに足りる強さに


#1971    母此処に痩せることなく冬越すと吹く風ならぬ電話で子等に

 

<365人の生き方>

■おまえには おまえの道が ピカソになるな

(松井守男 画家  ピカソからの忠言)