義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:暮らし・田舎(八)

福知山市三和町高杉 春日神社

 

手作り短歌集(八)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された378首の内、五番目のカテゴリー【暮らし・田舎】に分類した短歌(33首)を掲載いたします。
 
<義母の短歌>カテゴリー:暮らし・田舎(八)

#2007    水餃子ぷくりぷくりと浮き上がり参りましたと掬われている


#2015    風が啼く高きに低きに風が啼く声を掛け合ういち人欲しき


#2018    「いのししの見残す筍食ってる」と里人のどかに呵々と笑えり


#2034    存在を示すがごとき古き杭わが触れし瞬ころり倒れき


#2062    回礼の和尚の足許軽やかに白足袋ならぬ白スニーカー


#2071    小屋代り物置代わりの廃車バス錆びてほろほろ過去を消しゆく


#2081    谷深き一軒家の老い恙なくあるらし今日も煙が上る


#2084    農繁期過ぎたる野辺に人気なくどこかで杭を打つ音がする


#2085    小鍬もて耕し終えし荒畑の土の温もり手に掬いみる


#2095    零余子はや色づきそめし山の幸誰と食まんか草刈り残す


#2105    里人の大半還暦すぎている村の祭りが滅法明るい


#2106    酔うほどに貴方もこなたもなくなりて自治会長が叩かれている


#2107    乾燥機低く唸れり秋祭り終わりし里のたゆき静けさ


#2126    人を見ず昏れしひと日を絵になせばうす紫のやわらかき靄


#2155    傍らに草引く媼を恃みとし枯枝の山燃やし終えたり


#2169    捌きしは里の男衆焼かれてもなお鹿肉に産毛光れり


#2180    山間いの空狭けれど藍深しテロも不況も拘りなくて


#2192    春夏秋同じ服着て鳥追いし案山子の脚が今燃えつきる


#2193    通行止めの文字むっつりと道塞ぎ陽は高かれど里径寒し


#2210    鹿の鳴く声聞きしよと言う声に俺もわれもと山里なれば


#2242    対向車避けんときりしハンドルにすでに骸の獣を又轢く


#2250    小さき旅終えてくつろぐわが家の吸う息吐く息なんぞやさしき


#2266    断水の解けし蛇口を迸しる恐れるごとき錆色の水


#2274    姥捨のしきたり今なおありとせばその山活きいき賑わうらんよ


#2285    億年のかけらを生きて山里の空気うましと足りて終るか


#2305    百年を経たる古家を砦とし声の届かぬ家霊と住める


#2313    バス停もポスト自販機いまだなきこの素朴さに足りて棲み古る


#2316    ぽつねんと残るひとりの客下ろし空の終バス奥山に消ゆ


#2330    里人の念願なりし永久橋成りて下ゆく水明るめり


#2359    細りゆく血脈に似るわが里の道拡ぐると立つ測量器


#2361    難民のごとくダンプに積みこまれ朽ちゆく外なき農機具見送る


#2364    いにしえゆ農家の八月大名の超極楽の昼のうたた寝


#2365    心地よき空腹感あり厨辺の小窓はいまし茜の坩堝

 

<ブスになる25ケ条とは>昨日の続き

・自分が最も正しいと信じ込んでいる

・グチをこぼす

・他人を恨む

・責任転嫁がうまい

・いつも周囲が悪いと思っている

・他人にシットする

・他人につくさない

・他人を信じない

・謙虚さがなくてゴウマンである

・人のアドバイスや忠告を受け入れない・・・続きは明日