義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:風景・景色(三)

関西花の寺25ケ所 第15番 岩船寺

 

手作り短歌集(三)に蒐集されている短歌を、12のカテゴリーに分類いたしました。

短歌集に掲載された308首の内、6番目に多く(21首)含まれるカテゴリー【風景・景色】に分類した短歌を掲載いたします。

 

<義母の短歌 カテゴリー:風景・景色(三)>

#727    物体のごとく伸びいる脚四本工夫は午を深く眠れり


#786    平らかにあらぬ流れの岩を打つ白き飛沫を見て飽かぬかも


#800    律儀なる季節の流れに操られロボットのごと女茶を摘む


#805    高速路設置の赤杭鮮やかに墓地に打たれてむら肝冷ゆる


#817    息ひとつ吐く間のいのち雨露の生れ継ぐ端よりしたたり止まず


#818    水暗き瀬音に向きてぬかぼたる曳きゆくひかりの心許なき


#819    崩え株の猿の腰掛けしんねりと暗く冷たく日陰に太る


#827    右ゆくか左ゆかんかたちどまり流れてやまぬ川を見下ろす


#828    乾ききる蝉のなきがら地に揺れて枯れ葉のごとし欝もなからむ


#858    此の道はいすべ指す道山に向きブルトーザーの猛りたつ音


#864    梅ヶ枝に山繭ひとつさびしらに揺れて池の面くれはじめなり


#866    累々と積まれし芥の収集場くらしの抜けがらガサッと音たつ


#870    空を這う夜間飛行の音なき灯星に紛れていずく指すなる


#887    牙のなき象のごとしも急坂のカーブにバスの巨体現る


#898    窓際の席を選びしまなかいに華には遠き枯れ野流るる


#899    芒原に打ち捨てらるる乗用車赤き車体の華ある滅び


#900    ちんまりと一輛編成のディーゼル車急行尻目に乗客群がる


#901    山住のまなこを洗う波頭浜に届かむ際を砕ける


#902    波被く沖の小島の二つ三つともる灯もなく闇に沈みぬ


#903    トンネルを抜けるとそこは雪国と小説もどきの奇声を上げる


#996    丹波丹後の境の峠の地蔵様瓦の屋根が温とうみゆる

 

<管理人のつぶやき>

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