カテゴリ:人・子供(三)
手作り短歌集(三)に蒐集されている短歌を、12のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された308首の内、5番目に多く(24首)含まれるカテゴリー【人・子供】に分類した短歌を掲載いたします。
<義母の短歌 カテゴリー:人・子供(三)>
#729 観光バスに調子外れの歌唱う男の心本日晴天
#733 酔う人の足に程よき月明かり濁声ともに影吸われゆく
#737 目を凝らす闇にうつそみ抜けいでて紡徨う魂か蛍光妖し
#740 人群れを吐き出すラッシュのバス停に夕餉気にする主婦等の早口
#742 水槽に額押しつける髭男魚のほ頬桁が笑ったような
#788 稀れまれにも揺らすものなき山里のブランコ地まで垂れて幾とせ
#792 木瓜の棘指にするどし大切な人病み給う痛みを刳る
#816 飢え叫ぶ獣のごとくバイク音闇貫けり何昂ぶれる
#822 見えぬ目の視線のずれを吾が受けて濁れる泪に言葉を失う
#835 乱醸に「越の寒梅」味落ちしと酒豪は言えり驕れる嘆き
#841 感情の脱皮なすがに泣き喚く幼なを黙らす蜻蛉のまぐわい
#844 ためらいてひとりし入るレストラン対の椅子に見えぬ人置く
#880 子は傍に深く眠れり語らいのなにとしなくも互みに足りて
#885 打てばひびく会話に足りて帰るさの目に写るものなべてやさしき
#886 幼子の泣き声さえや尊かり老いゆく里の昼の閑寂
#897 突風に吹き上げらるる病葉か立ち退き止むなきホームレス達
#909 糧詰める袋両手に主婦どちの総身にくらしの力漲る
#938 元総理の尤もきびしき貌をみき眉毛の奥の無念のまなこ
#946 異なれるくらしの琴腺ふとゆらぎ友が立ち居のもろもろの音
#950 ドラマいずれも創作なればヒロインの終末せめてやさしくあれ
#966 市場には受け入れられぬ疵りんご辻に売りいる鉢巻き男
#967 偉大なる芸人「横山やすし」の葬襤褄の終の華盛んなり
#990 出でし野の日照雨に濡れし心地なる電話の向こうの人忙しくて
#999 北狐の子別れの話聞き留めぬ歌の師もまた還り来まさず
<管理人のつぶやき>
■父の日に 肩こりにきくとマグネット