義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:風景・景色(八)

福知山市三和町菟原高杉 高野山高杉大師教会(真言宗)

 

手作り短歌集(八)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された378首の内、四番目のカテゴリー【風景・景色】に分類した短歌(35首)を掲載いたします。
 
<義母の短歌>カテゴリー:風景・景色(八)

#2003    足裏に隠れる程の溜り水空青ければ青きを映す


#2009    直角に流れの変わるひと処水も憩いのひと時を待つ


#2043    紅葉を急ぐまゆみよ陽は高しそれ程急いで先があるのか


#2047    用済みの壜の大小それぞれの分限の空気溜めて煌く


#2052    ひそやかに呟くごとき煮豆の火闇にしんしん冬迫りつつ


#2056    幾曲り曲るも車の正面に新生児のごと赤き満月


#2057    トラックに頭を垂れて牽かれゆく眠れる獅子かユンボの巨体


#2058    積まれいる廃車のミラー耳に似てそれぞれの過去聴きいる象


#2080    府道逸れ谷川一キロさかのぼる何もなけれどわが桃源郷


#2086    杉山に闇溜りいて青白き山葡萄の花妖しげな


#2090    たじろげるわれに微動もせぬ墓は瞼ゆっくり開きてとざす


#2119    紅葉に山ふくらみてざわめくも常緑の杉の豊かさ静けさ


#2172    ポーチュラカと揚羽とわれと絵の中の静けさにいる空は真っ青


#2185    紅葉の山ふくらみて輝けり何もて飾らんわれの終焉


#2187    十三夜のやわき光りに誘われて十歩二十歩踏む柿落葉


#2191    ひっそりと春待つ昆虫眠りいる芒ヶ原に沁む夕明り


#2205    釣の趣味あらねど冬の川底に動く小魚みつけてたのし


#2206    昼暗き杉の谷径ひたひたと竹樋つたう山水の音


#2219    いとけなき鈴蘭草より救い出しともに仰げり紺碧の空


#2249    大江山晴れゆく霧にいにしえの鬼のたつきの煙思えり


#2254    名にし負う丹波の霧の白やみに何も見えねばむしろ清しき


#2256    うす雲に遮られつつ半月のもの言いたげに光をこぼす


#2272    走り去る轍にとび散るにはたずみの水がじりじりもとに戻り来


#2276    辛うじて纏う心の綺羅さえや脱がせてしんと高き残月


#2290    水浅き流れに跳ねるうろくずの光る命に目を凝らしいる


#2326    夕ぐれの静けさ夜空の美しさ年毎親しみ増しゆく自然


#2339    春や春明日を恃まぬ恋猫の声すさまじき路地の夕ぐれ


#2340    華やかに見えて何やらものがなし花はな華の春のたそがれ


#2341    花吹雪地に再びの華置くに雨よ叩くな轍よ踏むな


#2352    温感なき鈍光ともるトンネルの長きを走る背寒かりき


#2357    揺れたわむ竹に混じりてそびえ立つ一本杉の孤独を愛す


#2366    芋の葉に宿る朝霧新しき今日を映して光をかえす


#2367    雨上がりの舗装路ふみし泥靴の跡アリバイのごとく残れり


#2377    物体の如く伸びいる脚四本工夫は昼を深く眠れり


#2378    橋ひとつ渡れば海の匂いして海猫白き腹ひるがえす

 

<365人の生き方>

ブスになる25ケ条とは・・昨日の続き
・目が輝いていない

・精気がない

・いつも口がへの字の形をしている

・自信がない

・希望や信念がない

・自分んがブスであることを知らない

・声が小さくイジケている・・・続きはあした