義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:家族(八)

福知山市三和町高杉 春日神社

 

手作り短歌集(八)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された378首の内、六番目のカテゴリー【家族】に分類した短歌(30首)を掲載いたします。
 
<義母の短歌>カテゴリー:家族(八)

#2004    わが墓に花挿しながら言うだろう「騒々しいお母ちゃんだったな」


#2027    親子とて言いたき放題言えもせず完熟トマト潰されいたり


#2053    「ありがとうよくぞ丈夫な歯を呉れて」突然息子が真顔を向ける


#2055    サングラス外せば童顔の孫なりきナナハン駆りて墓参に戻り来


#2063    巣立ちたる孫に貰いし年玉の袋楽しむ老いとなりけり


#2104    定年を迎えし弟乾ける砂崩るるごとく病魔に倒る


#2111    なめらかに老いは来たらず逆縁の柩にさか立つわがばさら髪


#2112    子を生さず妻と二人の濃きひと世終えし弟幸せなるべし


#2113    弟の意思なき双の指ほどき骨もおれよと一期の握手


#2114    旅立ちの脚絆の紐の蝶結びほどけぬようにゆけよ弟


#2115    膝の骨先ず拾いやる黄泉路ゆく歩みのせめて恙なくあれ


#2116    物の怪の漂うごとき霧わけて葬りもどりの橋うつつなく


#2123    「おふくろの顔もむずかしなったよな」子には届かぬ老境の憂さ


#2124    漁終えし舟が港に憩うごとスニーカー並ぶ正月の土間


#2129    「おかあちゃんはじをようかかんさかいでな」一通きりの亡き母の文


#2133    「此の空は俺のもんだ」と満天の星に手を振る息子の銀髪


#2135    初めよりひとりのごとく野を守るわれに近くて遠き三人子


#2136    適齢期どこ吹く風と留学に婚の資金をはたく女の孫


#2137    ニヒリズムの息子が霊験あらたかと届けて呉れし足のお守り


#2147    鯉幟りも祝ってやれず生い立ちし息子の息子に良き嫁決まる


#2149    エアメールフランスへこれで届くかと郵便局にて念押しいたり


#2151    またひとり孫が印度へ渡るという生水飲むな弾にあたるな


#2170    エアメール寿司食いたしの文字載せてインド寺院の絵ハガキ届く


#2173    五十㍍以内に人の気配あり声のかけらが木の間縫いくる


#2176    大島ゆ男孫の土産椿油もったいなくて見ているばかり


#2198    福寿草の株切り分けてわが臓器与えるごとく子に持たせやる


#2233    抱き上げる手にひしひしと血の温みひ孫に聞かせるわが子守唄


#2283    二とせ余異国にありし孫帰りまずすき焼きが食べたしと言う


#2302    子の来ると報せにそぞろ指はずみ炊く零余子飯南瓜の甘煮


#2323    母と呼ばれ半世紀余をわが経たり育つ子に従きともに育ちて

 

<ブスになる25ケ条とは>昨日の続き

・なんでもないことにキズつく

・悲観的に物事を考える

・問題意識を持っていない

・存在自体が周囲を暗くする

・人生においても仕事においても意欲がない