義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:家族(六)

丹波古刹15ケ寺霊場 第6番 達身寺

 

手作り短歌集(六)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された238首の内、8番目のカテゴリー【家族】に分類した短歌(9)首を掲載いたします。

 


<義母の短歌 カテゴリー:家族(六)>

<義母の短歌>

#1507    孫の料理にこにこ食べるその味覚舌に合わぬを悟られぬよう


#1524    うから持つ人の知らざる気易さに案外さわやか茶漬けの夕餉


#1576    掛け軸の人間本来無一物だるまの髭に彷彿と義父


#1577    障子開け雨を見ていし髭の義父人はだるまの軸と呼びたり


#1602    ありありと母のうなじの黒子顕つ形見のごときわが腰黒子


#1619    母生れし土地にひとりの従兄弟あり逢い久しくもひとすじの糸


#1632    嵩高き毛布と思いし炬燵より小さな爺様這い出て笑まう


#1645    幼きより得がたきものを求めしか母のかなしき目に責められし


#1715    疲れ曳く娘の声の届き来る電話に蒼き眠りを醒ます

 

<管理人のつぶやき>

■欲望は 枯れないように 大切に(80歳の壁から)