義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:人・子供(九)

福知山市岩崎 岩崎薬師堂

 

手作り短歌集(九)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された228首の内、五番目のカテゴリー【人・子供】に分類した短歌(18首)を掲載いたします。


<義母の短歌>カテゴリー:人・子供(九)

#2380    ダンプの泥洗うが仕事の髭男昼食以外にホース離さず


#2381    歳晩の突貫工事に身を濡らす男の世界慎みてみる


#2400    此の豆の御飯は旨いと街の児が鴉のえんどう摘み溜めている


#2406    咲き出ずる花を次々切るあなた花の悲鳴が聴こえませんか


#2417    摩天楼と仰ぐあき子師助手席に乗り給う夢覚めても温し


#2418    心とは床屋に回るねじりん棒透かしてみても芯が見えない


#2425    杏みたいな少女をレンズに覗きこむ長脛彦の髪輝けり


#2436    水平線の交り此処に半世紀一桁若き男の友も老ゆ


#2444    手作りのつくね芋提げ髭男ぬっと現る秋の日の昏


#2451    ハイヒールの音軽やかに階登る若き傲りの脚美しき

 

2457    エメラルドグリーンの傘に白コートあるがままなる若さ眩しき


#2501    此の里に居てくれるだけでいいと言う自治会長も七十路中半


#2514    此んな夢見て良いものかにこやかに「あき子師」峡を訪い給う夢


#2516    戒名なく縁も知らぬ遠き死者わが墓原の隅に回向す


#2548    引き籠るわれを起たせて歌の道説きたる人の死も遙かなり


#2564    六十年生死の程も知らぬ人青年のまま夢に訪い来ぬ


#2568    姑言いし「親はへちまのだんぶくれ」良く解らねど解る気もする


#2593    ジョギングの乙女Tシャツ膨らませ軽々宙蹴る足羨しもよ

 

<365人の生き方>

■仏教で 大切なのは 実践だ

(酒井大岳 曹洞宗長徳寺住職   愛語の力)