義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#1541-1545 用ありて・・・

関西花の寺25ケ所 第24番 子安地蔵寺

 

<義母の短歌>#1541-1545

#1541    用ありて来たりし厨に首かしげ思案の他のリンゴジャム煮る


#1542    紅葉は遠く眺めて嘆ずべし落葉散り積む城跡の寂


#1543    いのこづち風媒恃めぬ鋭きのぎのズボンに袖に所嫌わず


#1544    丘ひとつ越えて変わらぬ山里で思いがけなく夕陽に出遭う


#1545    夢のなき農家のくらしに戸惑いしは十九の花嫁なりし

 

<管理人のおまけ>

嘆(たん)ず・・感心する

のぎ・・針状の毛

風媒(ふうばい)・・風で飛ばす

恃(たの)めぬ

 

<管理人のつぶやき>

■幸齢者 柳に風のしなやかさを 朝令暮改 風見鶏もよし