2022-05-06 カテゴリー:亡夫・夫(一) 亡夫・夫 関西花の寺25ケ所 第10番 摩耶山天上寺 手作り短歌集に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。 義母の手作り短歌集(一)巻に掲載された432首の内、七番目に多く(28首)が含まれるカテゴリー【亡夫・夫】に分類した短歌を掲載いたします。 <義母の短歌 カテゴリー:亡夫・夫(一巻掲載28首)> #20 愛籠めて抱いてゆけり納骨の道に樒の白き花散る #26 母逝きて写経せし亡父そのままに今心経写す寂しさ噛みしめ #48 この峡に一人残して慌て者金婚式待たで逝きたる人は #52 長月を捲まず勤めし夫逝きて我に賜える年金の泉 #54 汝よりも半日たりとも早く逝く望みし夫の早すぎる他界 #60 頼る人逝きてめぐる日かそかなり迷い子の如く闇抜けられず #70 大海を小舟で漂う心地して櫓を漕ぐ長のひたすらに欲し #99 宮詣り吾が名小さく祝いきぬ仲人なして幼見ぬ亡夫 #103 お守りを成田不動の神域に戴きし亡夫御利益受けず #109 我が戒名今だ刻まぬ夫婦墓さびしからずや地下なる人は #132 安らかに眠れと弔辞結ばれて別離の扉音なく閉まる #137 夫婦茶碗汝も寡婦なり捨て難く余生の限り我がそばにあれ #138 玻り一重隔ての取れぬまま別れあこがれあれば早待つ再開を #145 稲刈る時季唯それだけに夫婦して見に行くという羨ましき #193 刺身など好みし亡夫に喰ませたき思いしきりにはまちを捌く #218 花ならばひととせ待てば咲くものを自ら散りし無情の葬り #223 瀬戸大橋夫と渡らむ夢失せて醒めても居てもどうにでもよし #279 フイルムに収め得ざりし落日をともに称える人なく佇てり #291 夫病みて捨てし親猫子猫とも逝きしと聞きぬ病室にいて #295 夫冬に逝かしめたれば雪の上にこぼせし泪痛く凍れり #321 手造りのベンチ形見と置くを出し子が掛けているつぶれはせぬか #322 逝きし面美しくあれと子の掌にて夫の頬髭剃らしめたりし #323 死の床のうつつに「飯」にせよと言う末期となりし一匙の粥 #324 花びらに露まろばせてふく郁と手折りし菊を黄泉に参らす #325 別れ告ぐ吾に時計を指さして口きけぬ人首振りており #361 蜘蛛糸にかかる枯葉のクルクルと廻るを病床の窓に見ていつ #375 耳遠き夫故大きく鐘鳴らし外出告げて後髪曳かれ #377 渋柿を頬張るような顔をしてひとつの思い胸に収める <管理人のつぶやき> ■義母いない この連休は 寂しけり