義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#941-950 羽根たたみ・・・

関西花の寺25ケ所 第8番 應聖寺

 

<義母の短歌>#941-950

羽根たたみ歩む鴉の悠然とひとあしごとにうなずきにつつ


彼岸花葉と花倶にある日なき斯かる厳しき愛もあるべし


大切な封書ぱくりと呑むポスト此れより先は汝が責任


ひと組の息子の肌着まず洗う古き女の心のしきたり


戯れに「遺書」としたため財もたぬわが旅立ちに書くこともなし


異なれるくらしの琴腺ふとゆらぎ友が立ち居のもろもろの音


今日を開くなにもなければ茫々と過去世の迷路彷徨いいたり


魂のうつそみ抜けて彷徨うか今宵は文字を拾わぬまなこ


黙々と茶漬けに事足りてすこやけき命いとしむ理由は要らぬ


ドラマいずれも創作なればヒロインの終末せめてやさしくあれ

 

<管理人のおまけ>

倶(ぐ)に・・・共に

斯(か)かる・・こんな

琴腺(きんせん)

彷徨(さまよ)い

うつそみ・・この世

 

<管理人のつぶやき>

■今日は雨 季節は移り昨日穀雨 次の節季ははや立夏