カテゴリー:久後先生追悼の歌
手作り短歌集(三)に蒐集されている短歌を、12のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された308首の内、9番目に多く(14首)含まれるカテゴリー【久後先生追悼の歌】に分類した短歌を掲載いたします。
<義母の短歌 カテゴリー:久後先生追悼の歌>
#713 こと切れし師の貌さすり手を握り奇跡と言うが起こらぬものか
#714 大島の和服きりりと召し給い叡知ひらめく顔忘れ得ず
#715 歌の師は幼に還り垂乳根の膝に在すか歌を解かれて
#716 柩なる師よ聴こし召せ滔々と供華ゆらして透る朗詠
#717 師のみ霊送りて戻りの彼岸花ほつほつ咲けるが此の世ともなし
#718 叶わざる願いにあれど師の君の今際にわれも侍りたかりし
#719 ひと逮夜の泪に湿る庭隅に散りて香のなき木犀の花
#720 「今少し歌の奥儀を極めたし」師の声千金の重みに残れる
#721 おずおずと差し出す歌稿活きいきと評賜いしが最後となりぬ
#722 「老と言う文字使うな」と言いましし師の一喝の尊とかるべし
#723 先生の心の動きみえすぎて歌に関る語はつつしみたし
#724 川を見てあれば綱打つ先生が草むらゆらして現れまさぬか
#725 うからにも近き交わり師の君の思い出山に川に茫々
#726 かなしみは人それぞれに山揺れてわが裡に降る追悼の雨