義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#951-960 被保護者と・・・

関西花の寺25ケ所 第8番 應聖寺

 

<義母の短歌>#951-960

被保護者とならぬ終焉迎えたき願望はあり結果は知らず


積み上げし苦労の実り見ぬ人に生きて泪をこぼし参らす


噛み合わぬ話題はぽんと抜くビールの泡に紛らす術も知るなり


足裏の交互に地を踏むと言う単純にして尊き動作


技術なき母の干したる塩鰯その味もてるを売る店はなし


じぐざぐに落ちゆく眠りつけ置きしテレビドラマの終末知らず


み祖等の必死に守りし土の価値つばめ来たらぬ古巣のような


在りし日の母にかけざりし愛隣の言葉愚かに呟きいたり


艶も香もなき冬の空日輪の在処もみせず昏れはじめたり


いずくにか釘打つ音ののどかなり今日日曜日の光り燦々

 

<管理人のおまけ>

塩鰯(しおいわし)

み祖(おや)・・親や先祖

呟(つぶや)き

輪(にちりん)・・太陽

 

<管理人のつぶやき>

■鳥歌い 花も満開 花粉も飛ぶ