義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#1121-1130 手の指は・・・

関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺

 

<義母の短歌>#1121-1130

手の指はあれも此れもと忙しくて足もなずきも蹤きゆきかねる


子の住所電話番号書きしメモバックの中にお守りのごと


闇の匂い心の隅にひそむこと知られてならじ紅引き直す


見ゆるもの夕べの彩に移りゆきうつそみわれのみ取り残さるる


日常の些細な変化も告げたかり片山陰にひとり住まえば


思い出は仄かに白き帆を張りて眠りに落ちん狭間にゆるる


一泊の娘いそいそ去りゆけり夢より覚めし蝶のごとくに


退会の記念と賜びし花みずき生くる土得てわが丈超せり


あの人も此の人も皆忙しくて詮なく巡る雨の花畑


空中を掻きまわしつつ長梯子納めて漏らす長き溜息

 

<管理人のおまけ>

なずき・・脳

蹤(つ)き

うつそみ・・この世の

仄(ほの)かに

覚(さ)めし

賜(た)びし

梯子(はしご)

 

<管理人のつぶやき>

■田植機の 稼働時間は年に2時間 トラクターは2.5日